基準生産計画

Odooの 製造 アプリでは、基準生産計画 (MPS)は、プロダクトおよび構成品の予測数量を基に、製造オーダ (MO)と購買オーダ(PO)を手動で計画するために使用されます。

確定した製造オーダと購買オーダの影響を考慮し、手動で調整した需要予測と併せて、長期のプロダクト補充を管理するために基準生産計画を使用することで、必要なプロダクトや構成品の継続的な供給を確保することができます。

基準生産計画では手動介入が可能であるため、既存の販売オーダ(SO)の需要が将来の確度の高い需要を反映して いない 場合にプロダクトを補充するのに役立ちます。

Example

ある小売店では、ホリデーシーズンに人工の クリスマスツリー を販売しています。現在は9月で、12月のクリスマスツリー製造オーダは10件未満です。

現在確定している製造オーダ数は少ないですか、購買マネジャーは、ホリデーシーズンが始まれば、12月のクリスマスツリーに対する需要が大幅に増加することを知っています。その結果、顧客の需要増加に間に合うようにプロダクトを適切に補充できるよう、基準生産計画に大量の需要を手動で入力します。

重要

基準生産計画は 手動 のツールであることを忘れてはなりません。プロダクトを基準生産計画に追加しても、自動的に製造や購買が行われるわけではありません。基準生産計画は単に補充すべきプロダクトの数量を提案するだけであり、補充に使用される製造オーダや購買オーダを作成するにはユーザの入力が必要です。

このため、同じプロダクトの再オーダ規則と基準生産計画を併用することは推奨されません。再オーダ規則は自動化されたワークフローであるため、基準生産計画の手動による補充方法と矛盾が生じます。両者を併用すると、不正確な予測や不要な補充オーダの作成につながる可能性があります。

基準生産計画を有効化し設定する

基準生産計画機能を使用するには、製造アプリ ‣ 設定 ‣ 管理設定 に移動し、計画 セクションの 基準生産計画 チェックボックスにチェックを入れます。最後に、保存 をクリックします。

基準生産計画 機能を有効にすると、管理設定 ページにその下に 時間範囲列数 の2つの新しいフィールドが表示されます。

時間範囲 フィールドは、計画の対象期間を選択するために使用され、次の3つのオプションが用意されています。 月次週次日次。 例えば、月次 を選択すると、基準生産計画はプロダクトおよび構成品の生産要件を月次ベースで計画します。

列数 フィールドは、基準生産計画ページに表示する選択した 時間範囲 単位の数を指定するために使用します。たとえば、時間範囲 フィールドが 月次 に設定され、列数 フィールドに 12 が入力されている場合、基準生産計画には、現在の月から始まる次の12か月間が1列で表示されます。

時間範囲 または 列数 フィールドの値が変更された場合は、変更を保存するために 保存 を再度クリックします。

製造アプリの設定にある基準生産計画の設定

基準生産計画ダッシュボード

基準生産計画を開くには、製造アプリ ‣ 計画 ‣ 基準生産計画 に移動します。 基準生産計画のビューは以下のように表示されます。

製造アプリの基準生産計画

画面左側のグレーの列には、基準生産計画に追加された全てのプロダクトのセクションが表示され、各プロダクトセクションはさらに小さな行に分割されています。行に表示される情報は、ページ上部の Search... バーのドロップダウンメニューで選択されたフィルタによって異なります。行に表示されるデフォルトのカテゴリは以下の通りです。

  • [プロダクト] ([単位]ごと) : 各時間帯の開始時点での予測在庫数量。 [プロダクト] は、それぞれクリック可能なボタンであり、プロダクトページまたはプロダクトの予測レポートを開くことができます。

  • - 需要予測: 需要予測は手動で入力します。これは、各時間枠におけるプロダクトの需要予測を表します。

  • - 間接需要予測: これはデフォルトのカテゴリですが、他のプロダクトの構成品であるプロダクトに対してのみ表示されます。このカテゴリは、既存の製造オーダに基づく、その構成品の需要を表します。

  • + 補充提案数 : この項目は、製造オーダまたは購買オーダによって補充が推奨されている数量を示します。カテゴリ名の右側には 補充 ボタンがあり、提案された数量に基づいて、プロダクトを手動で補充するために使用されます。

    "+ 補充提案数" 行の「補充」ボタン。

    "+ 補充提案数" 行の "補充" ボタン

  • = 予測在庫: 補充提案数が満たされることを前提に、各周期設定の終了時に在庫として予測されるプロダクトの数量。

これらのデフォルトのカテゴリは、全体として次のような等式を構成します:

\[\text{予測需要} + \text{補充提案数} = \text{予測在庫}\]

構成品の場合、:guilabel:`間接需要予測`も考慮されます。

- 予測需要 および:guilabel:+ 補充提案数 フィールドは、プロダクト列の右側の任意の時間期間に対して編集することができます。 そうすると、計算式が変更され、予測在庫 フィールドに表示される値が更新されます。

+ 補充提案数 フィールドの値を変更すると、フィールドの左側に (リセット) ボタンが表示されます。 フィールドの隣にある (リセット) ボタンをクリックすると、値が基準生産計画によって計算された値に戻ります。

重要

基準生産計画ではデフォルトのカテゴリのみが有効になっていますが、実需 カテゴリも有効にすることをお勧めします。これは、検索...`バーの右側にある:icon:`fa-caret-down (下向き矢印) をクリックし、 ヘッダーの下にある 実需 オプションを有効にすることで行います。

実需 オプションを有効にすると、- 需要予測 カテゴリは:guilabel:- 実需 / 需要予測 カテゴリに変更されます。 このカテゴリには、手動で入力された需要予測に加えて、確認済みの需要(確認済みの販売オーダに基づく)も表示されます。

プロダクト列の右側の各列は、製造 アプリの 管理設定 ページにある 時間範囲 フィールドで選択した期間の単位を1つ表示します(例:月)。期間列の数は、列数 フィールドに入力した値に対応します。

最初の期間列は現在の期間を表します。例えば、基準生産計画で月を使用するように設定されている場合、最初の列には現在の月のデータが表示されます。この最初の列では、+ 補充提案数 フィールドが5つの色のうちの1つで表示されます。

  • : 在庫を 安全在庫目標 に維持するために補充オーダを生成する必要があります。

  • 灰色: 在庫を 安全在庫目標 に維持するための補充オーダはすでに生成されています。

  • 黄色: 補充オーダはすでに作成されていますが、その数量では 安全在庫目標 の在庫を維持するには不十分です。

  • 赤色: 補充オーダはすでに作成されていますが、その数量では在庫量が 安全在庫目標 を上回ってしまいます。

補充オーダが生成されていない場合、+ 補充提案数 フィールドは白く表示され、現時点では生成する必要はありません。

プロダクト追加

プロダクトの補充を管理するために基準生産計画を使用するには、製造アプリ ‣ 計画 ‣ 基準生産計画 に移動します。 基準生産計画ページの上部にある プロダクト追加 をクリックして、プロダクト追加 ポップアップウィンドウを開きます。

重要

プロダクトは、基準生産計画を通じて補充されるように適切に設定されていなければなりません。

製造されたプロダクトの場合、プロダクトのフォームにある 在庫 タブの ルート セクションで、製造 ルートを選択する必要があります。

購買されるプロダクトの場合、プロダクトフォームの 在庫 タブの ルート セクションで、購買 ルートを選択する必要があります。さらに、購買 タブで、仕入先と販売価格を指定する必要があります。

ポップアップウィンドウで、プロダクト ドロップダウンメニューから追加するプロダクトを選択します。プロダクトが製造によって補充される場合は、部品表 フィールドでプロダクトの部品表を選択します。

注釈

MPSにプロダクトを追加する際、部品表を選択すると、部品表にリストされた構成品も追加されます。MPSを通じて構成品の補充を管理する必要がない場合は、部品表 フィールドを空白のままにしておいて下さい。

データベースが複数のウェアハウスで設定されている場合、製造倉庫 ポップアップウィンドウに 製造倉庫 フィールドが表示されます。このフィールドを使用して、プロダクトを補充する倉庫を指定します。

安全在庫目標 フィールドに、常にオーダ用に確保しておくべきプロダクトの最小数量を指定します。例えば、プロダクトを常に20個確保しておく必要がある場合は、安全在庫目標 フィールドに 20 と入力します。

最少補充 フィールドに、プロダクトを補充するために作成されるオーダの最小プロダクト数量を入力します。例えば、このフィールドに「5」と入力すると、プロダクトの補充オーダには最低5個が含まれます。

補充上限数 フィールドには、補充注文を作成する際の最大数量を入力します。例えば、このフィールドに 100 と入力すると、補充オーダには最大で100個が含まれます。

最後に、保存 をクリックしてプロダクトを基準生産計画に追加します。プロダクトは、基準生産計画ページを開くたびに表示されるようになります。 プロダクト追加 ポップアップウィンドウの 部品表 フィールドで部品表が選択されている場合、ページには部品表にリストされた構成品も表示されます。

基準生産計画における「プロダクト追加」ポップアップウィンドウ

プロダクトを編集する

プロダクトを基準生産計画に追加した後、プロダクト追加 ポップアップウィンドウに入力した補充値を変更する必要がある場合があります。これを行うには、プロダクト名のすぐ下にある 補充 ボタンの右側にある # ≤…≤ # ボタンをクリックします。

注釈

# ≤...≤ # ボタンに表示される最初の数字と2番目の数字は、基準生産計画にプロダクトを追加する際に 補充最小数 および 補充上限数 フィールドに入力された値に対応します。

例えば、補充最小数 フィールドに 5 が入力され、補充上限数 フィールドに 100 が入力された場合、ボタンは 5 ≤…≤ 100 と表示されます。

# ≤…≤ # ボタンをクリックすると、生産スケジュール編集 ポップアップウィンドウが開きます。 このポップアップウィンドウは、プロダクト追加 ポップアップウィンドウと同じですが、プロダクト および 部品表 フィールドは編集できません。

生産計画を編集する ポップアップウィンドウで、安全在庫目標補充最小数補充上限数 の各フィールドに希望する値を入力します。その後、保存 をクリックして変更を保存します。

プロダクトを削除する

基準生産計画からプロダクトを払出すには、プロダクト名の左にあるチェックボックスにチェックを入れます。次に、画面上部の アクション ボタンをクリックし、ドロップダウンメニューから 削除 を選択します。最後に、確認 ポップアップウィンドウの Ok をクリックします。

基準生産計画からプロダクトを削除すると、そのプロダクトに関連するデータも全て削除されます。プロダクトを再追加する場合は、補充値を再設定する必要があります。

基準生産計画補充

基準生産計画のプロダクトは、以下の3つの方法のうちの1つで補充することができます:

  • 画面上部の 補充 ボタンをクリックすると、当月における各プロダクトの 安全在庫目標 以下の補充オーダが生成されます。

  • 特定のプロダクトの 補充提案数 行の右側にある 補充 ボタンをクリックすると、その特定のプロダクトの補充オーダが作成されます。

  • 1つまたは複数のプロダクト名の左にあるチェックボックスにチェックを入れます。次に、画面上部の アクション ボタンをクリックし、ドロップダウンメニューから 補充 を選択します。これにより、選択した各プロダクトの補充オーダが作成されます。

生成される補充オーダの種類は、プロダクトフォームの 在庫 タブで選択されたルートに対応します。

  • 購買 ルートが選択された場合、プロダクトを補充するための見積依頼が作成されます。見積依頼は、購買 アプリに移動することで選択できます。基準生産計画によって作成された見積依頼は、その見積依頼の元ドキュメントフィールドに 基準生産計画 と表示されます。

  • 製造 ルートが選択された場合、プロダクトを補充するための製造オーダが生成されます。製造オーダは、製造アプリ ‣ オペレーション ‣ 製造オーダ に移動することで選択できます。基準生産計画によって生成された製造オーダは、基準生産計画 を:guilabel:元ドキュメント フィールドにリスト表示します。