よくあるEメールの問題と解決策

このページでは、Eメールに関するよくある問題と解決策を記載しています。

OdooはEメールプロバイダーではありません

Odooは、Gmail、Outlook、Yahooなどのような、一般的なEメールの受信トレイのようには機能しません。

Odooはユーザ/顧客への通知や連絡にEメールを使用しますが、これは設計上、専用Eメールサーバの代替ではありません。そのため、従来のEメールの受信トレイと比較すると、期待通りに動作しない場合があります。

主な違いは以下です:

  • デフォルトでは、通知またはトランザクションメール(見積書、顧客請求書、連絡先への直接メッセージ)が正常に送信されると、Eメールオブジェクトは削除されます。Eメールメッセージのコンテンツは、関連レコードのチャターに保存されます。コンテンツがチャターにすでに存在する場合、同じEメールの複数のコピーがデータベースに保存されるのを防ぎます(複数の宛先に送信された場合)。

  • (ブラインド)カーボンコピー([B]CC)の概念はありません。Odooでは、チャターに追加された フォロワー の概念を使用して、自動的に決定します。連絡先が通知されるタイミングと方法、またはEメールのコピーを受信する方法です。

  • 受信メールは、送信先 のメールアドレスがOdooデータベース内の有効なメールアドレスであるか、返信メールの場合は、Odooデータベースから送信されたメッセージと一致する参照がメールヘッダーにあるかを確認することで処理されます。 それ以外のメールは全てバウンスされ、スパムまたは隔離フォルダに一時的に保存されることはありません。 言い換えれば、Odooデータベースに関係のないメールはすべて失われます。

送信メール

管理ユーザアカウントのEメールアドレスを変更する

Odooデータベースが作成されると、メインの管理者アカウントにプレースホルダーのEメールアドレスが割当てられます。 送信メールの問題を防ぐため、管理者Eメールアドレス を検証済のEメールアドレスに置換えることをお勧めします。

これを行うには、管理アカウントでユーザアイコンをクリックし、マイプロフィール (または 個人設定) をクリックし、個人設定 タブの下にある Eメール フィールドを更新します。他のメールアドレスを使用するか、Odooサブドメイン(例: company-name.odoo.com)とローカルパート(例:admin@company-name.odoo.com) に admin を使用します。

配送失敗

メッセージが送信されると、チャターに (封筒) アイコンが表示されます。 宛先の1人でも配信に失敗した場合、アイコンが赤くなります。

チャター上に表示された赤色の封筒アイコン。

封筒を左クリックすると、配送に関する情報と、可能であれば関連するエラーメッセージが表示されます <email-issues-outgoing-delivery-failure-messages>` 。

送信エラーの例。

Odooが元のエラーまたはバウンスEメールを処理できた 場合、失敗の理由に関する追加情報を取得するには、エラー詳細を見る をクリックします。

再試行 列で オンになっている () 宛先全てにEメールを再送するには、送信して閉じる をクリックします。オフになっている (:icon:`fa-toggle-off) 宛先は全て無視されます。

全てを無視 をクリックすると、現在エラーとなっているEメールを全て無視し、封筒アイコンが赤から白に変わります。

送信されていないメールもOdooのメール送信予約キューに表示されます。アクセスするには、開発者モード を有効化し、設定 ‣ 技術設定 ‣ Eメール: に進みます。

送信予約メールの技術ビューの例

送信に失敗したメールには、配信失敗 のステータスが表示されます。再試行 をクリックすると、そのメールは再び送信予約メールキューに追加されます。その後、ステータスが 送信待ち に変わり、次回のメールキュー用のスケジュールアクション実行時に再送信されます。

オプションとして、キューに入れられたEメールは、今すぐ送信`をクリックすることで即時に送信することができます。Eメールをキューから削除するには、:guilabel:`Eメールの取消 をクリックします。

注釈

送信済みのEメールは、キューから定期的に削除されます。これは、Odooデータベース上の冗長データを削除する 自動バキューム というスケジュールされたアクションによって制御されます。

よくあるエラーメッセージ

日次上限に到達しました
Eメール上限達成警告。

Odooは、Odooオンラインデータベースから送信できるEメールの数を制限しています。OdooのEメールサーバが存在しないアドレスや無効なアドレスに大量のEメールを送信している場合、ほとんどのEメールサービスプロバイダ(Google、Yahooなど)はOdooのサーバIPをブラックリストに登録します。これは、Odooデータベースを通じて送信される迷惑なスパムEメールにも適用されます。

日次Eメール配信のデフォルトの上限は、5~200通 の間で異なります。正確な上限は、いくつかの要因によって異なります(変更される場合あり)。

  • データベースサブスクリプションの種類(シングルアプリ無料プラン、トライアル、有料サブスクリプション)

  • インストール済アプリ(例: メールマーケティング、マーケティングオートメーション)

  • データベースの移行が現在進行中の場合

日次上限に達した場合、下記が可能です:

  • Odooサポート に連絡してEメールの容量を追加します。以下の要因が考慮されます:

    1. データベースのユーザ数

    2. インストール済アプリ

    3. バウンス率(最終送信先への送信途中でメールサーバによって返送されたため、Eメールを受信できなかったメールアドレスの割合)

    4. エイリアスが正しく設定され、適切なカスタムドメインを使用しているかどうか <email-outbound-alias-domain>`

      ちなみに

      カスタムドメインを使用する際は、SPF, DKIM, DMARC が正しく設定されていることを確認して下さい。これにより、OdooのEメールサーバがカスタムドメインの代理としてEメールを送信できるようになります

  • Odooのメール上限に制限されないようにするには、外部送信メールサーバを使用 します。

  • 翌日まで待ってから、再度メールを送信してみて下さい。 そのために、開発者モード を有効化し、設定 ‣ 技術設定 ‣ Eメール: に移動し、未送信のメールの横にある 再試行 をクリックします。

重要

日次Eメールの制限は、手動または自動でトリガされ、Odooデータベースから送信されるすべてのEメールをカウントします。デフォルトでは、社内メッセージ、通知、ログノートなど、Eメールで誰かに通知するものはすべてEメールとしてカウントされます。Eメールの代わりに、Odoo内の通知 を受信することで数を抑えることができます。

SMTPエラー

Simple Mail Transport Protocol (SMTP) は、Eメールサーバおよび/またはEメールクライアント間でEメールを送信するために使用される標準規格です。

外部のSTMPサーバを使用してEメールを送信する 場合、標準的な SMTPエラーコードが存在します。コード番号はOdooに固有のものではありませんが、エラーメッセージの正確な内容は、メールサーバによって異なる場合があります。

Example

sendgrid.comからの550 SMTP恒久的な配信エラー:

Mail Delivery Failed
Mail delivery failed via SMTP server 'None'.
SMTPDataError: 550
The from address does not match a verified Sender Identity. Mail cannot be sent until this
error is resolved. Visit https://sendgrid.com/docs/for-developers/sending-email/sender-identity/
to see the Sender Identity requirements

エラーメッセージは、未確認のメールアドレスからEメールを送信しようとしたことを示しています。送信メールサーバの設定や、データベースのデフォルトの 送信元 アドレスを調査することは、問題のトラブルシューティングの第一歩として有効であり、sendgrid.com側でメールアドレスをホワイトリストに登録したことを確認する手段でもあります。

通常、Google検索にエラーメッセージの内容を入力すると、根本原因と問題の修正方法に関する情報が得られる可能性があります。

問題が解決できず、引き続き発生する場合は、連絡先までご連絡下さい Odooサポート

エラーなし

Odooは、配信が失敗した理由に関する情報を常に提供できるとは限りません。さまざまなEメールプロバイダーが独自のバウンスメールポリシーを実装しており、Odooがそれを常に正確に解釈できるとは限りません。

同じ顧客または同じドメインで繰返し問題が発生している場合は、 Odooサポート にご連絡下さい。

注釈

エラーメッセージが表示されずにEメールが送信されない最も一般的な理由の1つは、SPF または DKIM の設定に関連しています。また、実装されたEメール通知の設定がビジネスニーズに適合しているかを確認してください。詳細は、OdooでのEメールによるコミュニケーションに関するドキュメント を参照して下さい。

実施時間

Eメールの送信時刻は、システムユーティリティ クロン (スケジュールされたアクション) によって管理されており、この機能を使用して、あらかじめ設定した間隔で自動的に実行するタスクをスケジュールすることができます。 Odooでは、このアプローチを使用して、"緊急ではない" とみなされるEメール(例えば、ニュースレター形式のメール一括配信、マーケティングオートメーション、イベントなど)を送信しています。 これにより、メールサーバが混雑するのを回避し、代わりに個々のコミュニケーションを優先することができます。

クロンはタスクを完了するために特定のコードを実行するのにOdooがバックグラウンドで行うアクションです。Odooは、特定のワークフローで、予定日よりも早く予定されたアクションをトリガできるクロントリガも作成します。手動で予定されたアクションを実行したり、その頻度を変更することは、エラーが発生したり特定のワークフローが中断されたりする可能性があるため、一般的に推奨されません。

通常のメール送信予約キューでは、デフォルトで メール: Eメール送信予約管理機能 のcronジョブが60分ごとに実行されます。cronの最小実行間隔は5分ですが、Odooでは正常に動作させるために15分間隔を推奨しています。実行間隔が短すぎると、すべてのメールが処理されず、cronがタイムアウトする可能性があります。

緊急とみなされるEメール(販売オーダ、顧客請求書、購買オーダなど、個人から個人宛て)は即時に送信されます。 配送に失敗した場合を除き、それらのEメールは 管理設定 ‣ 技術設定 ‣ Eメール: Eメール には表示されません。

メール配信キャンペーンがキューに入れられた際に送信される情報ヘッダーの例。

Eメールキャンペーンは、(送信 ボタンをクリック後) できるだけ早く、または (スケジュール ボタンをクリック後) スケジュールされた時刻に送信されます。

メールマーケティング送信予約キューの場合、メールマーケティング: 処理キュー という名前のクロンは1日1回実行されますが、キャンペーンがデフォルトの頻度以外でスケジュールされている場合は、自動的に早期に トリガされます。 宛先が多数含まれるメーリングリストの場合、処理時間を短縮できない上、エラーが発生する可能性もあるため、手動でクロンを複数回トリガさせることは お勧めできません

ちなみに

クロンを編集するには、開発者モード を有効化して 管理設定 ‣ 技術設定 ‣ 自動化: スケジュールされたアクション に行きます。

参考

Odoo.shを使用する際のクロンの情報について詳しくは Odoo.shよくある技術的な質問 をご覧下さい。

メールマーケティングキャンペーンが送信キューで停止しています

複数のメールマーケティングキャンペーンが送信予約済みキューに追加された場合、それらは作成日時に基づいて時系列順に処理されます。

Example

Campaign_1 (1月1日作成)、Campaign_2 (1月2日作成)、Campaign_3 (1月3日作成) という3つのキャンペーンがある場合、それら全てで 送信 をクリックすると、それらが送信予約キューに入れられます。

3つのマーケティングキャンペーンの例。

クローンは、Campaign_1、次にCampaign_2、最後にCampaign_3 の順に処理を試みます。Campaign_1 の処理が完了するまで、Campaign_2 の処理は開始されません。

メールキャンペーンがいつまでも 送信待ちのまま処理されない 場合、キューの先頭にあるキャンペーンに問題がある可能性があります。トラブルシューティングとして、取消 ボタンをクリックして送信予約キューからCampaign_1を取り除き、他の2つのキャンペーンが送信されるかどうかを確認します。その後、Campaign_1 を修正するか、Odooサポート に連絡して下さい。

受信Eメール

受信メールに問題がある場合、Odoo自体には特に表示されないことがあります。バウンスメッセージ (ほとんどの場合、550: mailbox unavailable エラーメッセージ) を受け取るのは、データベースに連絡しようとして、メールを送信する顧客です。

Eメールが届かない

同じ顧客またはドメインで繰返し問題が起こる場合は、 Odooサポート に連絡して下さい。

Odooサポート用の情報

Odooサポート に連絡する際に役立つ情報のリストです:

  1. 受信トレイからEメール全体をエクスポートします。これらは通常、調査に必要な技術設定情報を含む .eml または .msg ファイル形式です。ファイルをダウンロードする正確な手順は、お客様のサードパーティEメールプロバイダーによって異なります。

    ローカルEメールソフトウェア (例: Thunderbird, Apple Mail, Outlookなど) を使用してEメールを同期する場合には、通常EメールのローカルコピーをEML/MSGファイルとしてエクスポートすることが可能です。詳細は、使用しているソフトウェアのドキュメントを参照して下さい。

    ちなみに

    可能であれば、EML/MSGファイルは、送信されたものの、失敗している、または問題を引き起こしている元のEメールに基づいている必要があります。

    受信メール の場合: 可能であれば、元のEメールの送信者に連絡し、元のEメールのEML/MSGコピーを要求して下さい。元のEメールのコピー(転送)を送信しても、トラブルシューティングに関連する情報は一部しか含まれません。

    送信Eメール の場合: EメールのEML/MSGを提供するか、データベース内のどのレコードが影響を受けるか(例:販売オーダ番号、連絡先名、顧客請求書番号)と、Eメールが送信された日時(例: 2024年1月10日11:45 AM (中央ヨーロッパ時間)に送信されたEメール)を指定して下さい。

  2. 通常、OdooでそれらのEメールを受信するために従っている正確な流れを説明します。以下の質問に答えてみて下さい。

    • これはOdooで受信した返信の通知メッセージですか?

    • これはOdooデータベースから送信されているメッセージですか?

    • 受信メールサーバは使用されていますか?それとも、カスタムメールサーバまたはプロバイダ経由でEメールがリダイレクトまたは転送されていますか?

    • 正しく転送されたEメールの例はありますか?

    • 最近、Eメール関連の設定を変更しましたか? その変更後に動作しなくなったのですか?

  3. 以下の質問への回答:

    • 一般的な問題ですか、それとも特定のユースケースに固有の問題ですか?特定のユースケースに固有の問題である場合、それはどのユースケースですか?

    • 期待通りに動作していますか?Odooを使用してEメールが送信された場合、バウンスメールはOdooデータベースに届き:ref:赤い封筒<email-issues-outgoing-delivery-failure> を表示するはずです。