機能性に優れた布張り家具のマーケットをリードし、ビジネスを拡大しているルオント・ファニチャーにとって、煩雑な業務をひとつのシステムで管理することは非常に重要でした。サウスカロライナ州チャールストンに拠点を置く同社は、フィンランド製の品質と機能性へのこだわりを保ちながら、北米全土へと事業を拡大しています。
ルオント・ファニチャーは、60年以上前にフィンランドで創業し、現代の住空間にフィットする多機能な布張り家具を専門としています。住宅の平均サイズが150〜200平方フィート(約14〜19㎡)縮小傾向にある中、ルオントはベッドに変えることができるソファや収納付き家具など、現代のライフスタイルに適応した製品を提供しています。
「社内でいつも、問いかけています。 『この業務、自動化できる?』 Odooを使えば答えはたいてい 『イエス』です」
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Odoo導入前、課題は
つぎはぎ状態で山積み

Odooを導入する前のルオントは、複数のバラバラなシステムに依存していました。たとえば、ERPにはMicrosoft Navision、マーケティングにはMailchimpを使い、CRM、営業、在庫管理にはそれぞれ別のツールを使用していたのです。このような「つぎはぎ」の体制では、非効率が生じ、データは分断され、部門間の見える化も大きく制限されていました。
「複雑な家具ビジネスに必要な柔軟性はそのままに、すべてのオペレーションを統合されたプラットフォーム上に集約することが、私たちの目標でした」
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チームはSalesforceの導入を検討したものの、Luontoの複雑で多様な製品構成に対応するには、カスタマイズの自由度が不十分でした。Odooは、その課題を柔軟に解決できるソリューションだったのです。
Odoo導入で業務を一体化: ルオントが実感した
数々のメリット

ルオントがOdooと出会ったのは、ヨーロッパで行われた社内のITミーティングがきっかけでした。チームはオープンソースのERPをいくつか検討した結果、ルオントの複雑な業務に最もフィットするのはOdooだと結論づけました。
ルオントは2019年にOdooを導入し、今ではほぼすべての業務で活用しています。「Odooは当社のビジネスの土台です。営業、マーケティング、在庫管理、製造、人事、カスタマーサポートまで、すべてがスムーズに連携しています」と、カレストさんは語ります。
ルオントでは、各業務において、以下のようなOdooモジュールを活用しています。販売とマーケティングでは、ウェブサイト、 CRM、メールマーケティング、 SMSマーケティング、ソーシャルマーケティング、 イベントなど。業務オペレーションには、 在庫、 製造、 PLM, 購買、 修理、 プロジェクト、 ヘルプデスク。が使われています。人事と管理部門では、 従業員、 休暇、 タイムシート、 採用、 査定、 勤怠、カレンダーなどのモジュールを活用。さらに財務とマネジメント業務には、 会計、 承認、 経費、 ダッシュボードが使われており、ダッシュボードはカレストさんのお気に入りだそうです。さらに、顧客体験の向上のツールとして、ライブチャット、 署名、 アンケート調査、 POSを使用。社内の情報共有や学習には、ドキュメンテーションとeラーニングでナレッジを整理・活用しています。
ルオント・ファニチャーでは、Odooのチャット機能が社内コミュニケーションの要となっています。DHLやFedExからの出荷対応、注文のピッキングや処理など、分単位でやりとりが発生する現場の調整に欠かせないツールです。また、ログノートも大きな役割を果たしており、業務の流れを整理し、顧客フォローの抜け漏れを防ぐのに役立っています。Odooは、従業員が入力したタスクや対応予定を自動でリマインドしてくれるため、記憶に頼らずとも、約束をしっかり守れる体制が整っています。そのおかげで、ルオントのチームはいつでもスムーズに連携し、信頼あるサービスを提供できているのです。
Odooのダッシュボードも、ルオント・ファニチャーにとって欠かせないツールのひとつとなっています。 リアルタイムのレポートにスムーズにアクセスできるだけでなくニーズに合わせて柔軟にカスタマイズできる点 が大きな魅力です。チームは、数多くのカスタムダッシュボードを作成しており、現場の状況把握から将来の戦略立案まで、すべての意思決定を 「実際の数字ベース」 で支える仕組みを整えています。
「在庫管理も格段に効率化され、 リアルタイムでの可視化 と部門間のスムーズな連携が実現しました」
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現在、ルオント・ファニチャーはOdoo 17を使用していますが、まもなくOdoo 18への移行を予定しており、さらなる自動化と分析力の向上に期待を寄せています。「毎年アップグレードがあることで、常にプラットフォームが最新の状態に保たれるのが魅力です。個人的にもOdooには非常に満足しています。 優れたソリューションで、Odooがなければもっと多くの人員が必要だったでしょう」とヴィッレさんは語ります。

「Odoo によって業務効率が 50%以上向上しました。 銀行消込機能のような作業は、今ではわずか数クリックで完了です」
今後の展望

ルオント・ファニチャーは、サウスカロライナ州チャールストンを拠点に北米市場での事業拡大を続けており、新たな製品や機能の導入にも取り組んでいます。
同社では今後さらに、Odooの機能を最大限に活用し、部門横断的なデータの可視化と業務の自動化を通じて、オペレーションの最適化と効率向上を図っていく方針です。
「ルオント・ファニチャーはこれからも、革新的なデザイン、持続可能なものづくり、そして先進テクノロジーの融合を通じて、現代の暮らしをより豊かにする家具を提供していきます」
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今後ルオントでは、 Odooに搭載予定のAI機能にも大きな期待を寄せています。これにより、顧客にとってさらに価値あるインサイトの提供が可能となり、業務の効率化と成長に向けた体制強化が一層進むことでしょう。
家具業界や製造業、または複雑な製品バリエーションを扱うさまざまな業種の企業にとって、ルオントのOdoo導入は、適切なERPシステムによって業務がどれほど変革できるかを示す好例です。Odooを活用することで、業務プロセスを統合し、成長の可能性を最大限に引き出すことができます。その力を、ぜひ貴社でも体感してみてください。