Odooの本質は、すべてのビジネス機能をひとつの統合されたシステムで管理することにあります。だからこそ、ビジネステクノロジーの統合の重要性について語る場として、「テクノロジー・アドバイス専門家インタビューシリーズ」に参加できたことを、私たちはとても光栄に思っています。
Odooの最高マーケティング責任者であるアレクサンドル・ヴァンデルメールシュが、このテーマやオープンソース技術について、 テクノロジー・アドバイスのクラーク・バックナー氏と対談しました。そのインタビューを一部抜粋してお届けします。
テクノロジー・アドバイス: Odoo では、連携してスムーズに使える20以上のアプリを提供しています。ビジネスに合ったソフトウェアや、アプリ同士がしっかり連携できる仕組みを見つけることは、どれほど重要なのでしょうか?
アレクサンドル: Odoo を使えば、ビジネスの運営がもっとシンプルになると私たちは考えています。特に、複雑なシステム連携が求められる場面では、それが大きな強みになります。だからこそ、私たちは自社で CMS や Eコマース機能を開発したのです。
なぜかというと、プラットフォーム同士の間には多くの境界があり、大量のやり取りが発生するからです。たとえば、在庫情報、商品カタログ、価格設定など、すべてで連携が必要になります。その結果、非常にコストがかかってしまうのです。だから私たちは、「できる限りOdoo上で完結させてみてください」とお勧めしています。もしそれが難しい場合でも、Odooには連携をサポートするさまざまなモジュールが用意されています。あらゆる種類のプラットフォームとの連携に対応できる仕組みを備えているのです。
私たちが大切にしているのは、まずは少数のアプリケーションから始めることです。たとえば、 CRM(顧客管理) ソフトウェア と 在庫管理を組み合わせて, まずは1つか2つの業務アプリから導入してみるのです。そして、それらの動作に満足できたら、次のステップとしてアプリを増やしていく。そうすることで、徐々に本格的なERP(統合基幹業務システム)へと発展させていけます。さらに、ERP とコンテンツ管理システムを一緒に活用すれば、大きな効果が期待できます。つまり、バラバラで連携しないシステムをつぎはぎで使う必要がなくなります。
そして最終的には、しっかりと運用できるようになります。インターフェースは、どんなものでも結局は「インターフェース」に過ぎません。でも、Odoo の良いところは、SAP や Microsoft のような従来型の大規模システムと違って、いきなり大きく始めなくてもいいところです。
まずは1つのアプリから気軽にスタートして、使い勝手に満足できたら、そこから少しずつ他のアプリを追加していける。それが Odooの強みでもあります。
テクノロジー・アドバイス: 3つ以上のシステムを自社に導入・連携しようと考えているチームに、アドバイスがあるとすれば何でしょうか?
アレクサンドル: 3つ以上のシステムを連携しようとしているということは、すでにいわゆる「本格的なERP導入」の段階に入っていると思います。つまり、特定の業務機能だけでなく、ビジネス全体のプロセスをシステムに落とし込もうとしているということですよね。私たちはこの分野で多くの経験があり、さまざまな方法を試してきました。だからこそ、ある程度成熟した視点からお話しできると思っています。今の私たちのアドバイスとしては、「少しずつ進めること」がとても重要です。たとえば、まずは3〜4つの統合にとどめておく。それ以上、たとえば一度に6つもやろうとすると、リスクもコストも大きくなってしまいます。段階的に進めながら、ビジネスにとって本当に重要な要件を見失わないようにすることが成功のポイントです。
まずは、数週間しっかりと時間を取って、要件を徹底的に洗い出し、自社の業務にそのソリューションがどう適用できるかをしっかり検討することに集中してほしいです。そのうえで、少なくとも1つのアプリケーションについては、早めに本番環境で稼働させてしまうのがポイントです。実際に使用してはじめて、リアルな使い方やフィードバックが得られますから。それまでは、どんなに準備してもすべて机上の空論なんです。
でも、ひとつでもアプリケーションを本番環境で稼働させれば、そこから本当の意味で前に進み始めることができます。実際の運用から得られるフィードバックがたくさん集まってくるので、それをもとに他のアプリの導入や使い方も細かく調整していけるようになるのです。スタート時に1つから始めるか、2つ、3つ、あるいは4つ同時に始めるかは、もちろん状況によって選べます。連携が必要なシステムであれば、最初から3つや4つを一気に導入する、いわゆる「ビッグバン方式」で進めなければならないケースもあるでしょう。
重要なのは、いつでも次のステップに進める道筋があるということです。でも本当に大事なのは、私たちがいつも実感していることなのですが―ERPは、理論と実際の運用では全く違うという点です。だからこそ、できるだけ早く本番稼働に持っていくことが大切なのです。初期の導入分、つまり最初のバッチを本番環境で動かすまでの時間を、できるだけ短くするようにしてください。実際に動かしてみて、初めて見えてくることがたくさんありますから。
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